|指折り数えて言うクリスだったが

指折り数えて言うクリスだったが、レイヴンの扱いが若干酷くはないだろうか。流石に他の騎士団の事まで何もかも把握できるはずがないのはわかるけれども。

クリスがついてきてくれるというのであれば、行くべきなのだろう。普段よりもやや早い時間だが、クリスの方も特に用事があるわけではないようだったので、館へと出発する事にした。

「——ところで、前はアレクと一緒に行ったんだったね。はオススメです。気になる物件、ここ。すまないがその時の事を詳しく聞かせてくれないか?」
道中、クリスにしては珍しくやや困ったような表情で言ってくる。
「あれ? 館に行ったら情報お互い交換しあってるんじゃなかった?」
クリスと前回館へ行った帰り、確かそんな事を言っていたはずだが。今回アレクとは話す機会がなかったのだろうか?
「あー、いや、話聞いたんだけどさ。イリスが一心不乱にお菓子食べてる姿が小動物みたいで可愛かった、という部分しか理解できなかったんだ」
「どういう事なの」
それは館へ行く前の話じゃなかろうか。スタート地点にすら立っていない気がするのは決して気のせいではないだろう。